3章 最低資本金規制特例を活用しよう!
1 特例措置の意味とメリットを理解しよう
 従来の商法では、会社の設立以前に用意しなければならなかった最低資本金(株式会社は1000万円以上、有限会社は300万円以上) が、2005年施工の商法改正で最低資本金規制が無条件にて撤廃されることとなる。よって現行の中小企業挑戦支援法(新事業創出促進法の改正)の、会社設立後、5 年以内に準備・増資問題を複合させることで、今後は会社設立時の資本金問題は解消される。
しかし資本金規制が無いからと云って、社会責任上無責任な会社組織化には問題。
現代のビジネス事情にルールを合わせた措置
 商法や有限会社法に現行の最低資本金規制が設けられたのは1991年のこと。その後の時間の経過の中で、いわゆる経営資源のソフト化が進み、創業時点において必ずしも多額の資本を要しない事業分野が確立されたこと、また、事業形態にもバリエーションが広がり、適正な資本の規模が一律である必要がなくなってきたことなどから、いわば会社設立のルールを実情に合わせたのが今回の特例です。廃業率が開業率を上回る昨今の状況を見ても、この特例の施行は待ったなしだったと言えます。
現物出資などに対する検査役の調査にも特例
 商法や有限会社法上、現物出資(金銭以外のものでの出資。不動産、機械、自動車、原材料や棚在庫品、有価証券、債権、営業権や漁業権、工業所有権や特許権、著作権などが該当)などを行う場合には、裁判所が選任する検査役の調査を受ける必要があります。ですが、この特例を受ける場合は、資本の額にかかわらず、現物出資などの財産価格が、株式会社については200万円を超えない場合、有限会社については60万円を超えない場合には、検査役の調査を不要とする手当ても講じています。(商法改正で変更)